最終更新日2024.8.23(公開日:2023.06.01)
監修者:日本矯正歯科学会認定医 院長 宮島 桜
治療期間
矯正歯科治療は、歯並びや噛み合わせを改善するための長期的な治療です。治療期間は患者さんの歯の状態や選択する治療方法、そして治療を受けるクリニックによって異なりますが、一般的な目安について説明します。
成人の場合の治療期間目安は1年半~2年半
成人の場合、治療の期間は通常1年半から2年半程度が目安とされています。この期間は、歯の状態や治療方法によって前後することがあります。例えば、歯並びの問題が軽度であれば、治療期間は短くなる可能性があります。一方、複雑な症例や顎の骨の問題がある場合は、治療期間が長くなることがあります。
治療前の段階で、歯科医師から治療にかかるおおよその期間について説明があるはずです。もし説明がない場合は、必ず確認しておくことが大切です。治療期間の判断は、上下の歯の状態や噛み合わせの状態だけでなく、治療の難易度を含めて総合的に行われます。
子供の場合の治療期間目安は2年~3年
子供の場合、成人よりも治療期間が長くなる傾向があります。一般的に、子供の治療の期間は2年から3年程度が目安とされています。これは、子供の歯や顎の成長に合わせて治療を進める必要があるためです。
子供の治療では、乳歯から永久歯への交換時期や顎の成長のタイミングを考慮しながら、適切な時期に治療を開始することが重要です。早すぎる治療開始は、再治療の必要性を高める可能性があります。一方、遅すぎる開始は、治療期間の延長につながる可能性があります。
治療の流れと通院頻度
治療の流れは、まず治療前の相談および検査から始まります。歯科医師に歯並びや噛み合わせの悩みや希望を伝え、口元や顔の写真撮影、頭部X線写真(レントゲン)撮影を行います。それらの情報を基に、具体的な治療計画が立てられ、「どのような治療を行うのか」「どれくらいの治療期間・費用がかかるのか」などの説明があります。
治療が開始されると、装置の装着から約3~4週間ごとの通院が一般的です。この通院間隔は、歯の移動のサイクルに合わせて設定されており、効率的な治療進行のために重要です。長期間の治療が必要な矯正歯科では、この通院を数年間継続することになりますが、日々の歯並びの改善を実感できるため、モチベーションを維持しやすいというメリットがあります。
保定期間とメンテナンス
治療が終了した後も、歯並びが後戻りしないように保定(リテンション)期間が設けられます。保定期間は、治療後の歯の安定を図るために重要な期間で、一般的に1年から2年程度が目安とされています。この期間中は、保定装置(リテーナー)を使用して歯の位置を維持します。
保定期間が終了した後も、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンス期間は患者さんによって異なりますが、通常は3ヶ月から6ヶ月に1回の通院が推奨されています。メンテナンス時には、歯並びの状態や口腔内の衛生状態をチェックし、必要に応じて調整を行います。
まとめ
治療は、歯並びや噛み合わせを改善するための長期的な治療です。成人の場合、治療期間は1年半から2年半が目安とされ、子供の場合は2年から3年が目安とされています。治療期間は、歯の状態や治療方法、治療を受けるクリニックによって異なります。
治療中は、3~4週間ごとの通院が一般的であり、長期間の通院が必要になります。治療後は、保定期間とメンテナンス期間があり、歯並びの維持と口腔内の健康管理が重要です。
治療は長期間にわたるプロセスですが、歯並びと噛み合わせの改善により、美しい笑顔と健康的な口腔機能を手に入れることができます。治療期間や通院頻度について不明な点がある場合は、担当の歯科医師に相談し、十分な説明を受けることが大切です。