裏側矯正(舌側)| 新宿の矯正歯科

裏側矯正(舌側)とは? LINGUAL BRACES

舌側矯正

裏側矯正とは

歯にブラケットという金具とワイヤーを使って歯並びを整える治療の一種で、器具を歯の裏側に装着する方法です。
オーソドックスな施術の利点を保ちながら、見た目を気にせず治療を進められます。

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このような方に向いています

  • チェック歯並びに隙間が多い方
  • チェック上下の奥歯がきちんと噛み合わせられない方
  • チェック噛み合わせが深い歯並びの方で、軽症から中等症程度の方
  • チェック矯正装置が目立ちたくない方
  • チェック舌癖のある方
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このような方には向いていません

  • チェックていねいな歯磨き習慣のない方
  • チェック虫歯や歯周病を治していない方
  • チェック”話す”ことが職業の方
  • チェック巨舌症の方
  • チェック長期にわたり定期的に歯科医院に通うのが難しい方
  • チェック金属アレルギーのある方
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治療の特徴

裏側矯正の特徴は次のとおりです。

  • チェック目立ちにくい
  • チェックマルチブラケット矯正なので応用範囲が広い
  • チェック頬や唇に傷を作らない
  • チェック舌に違和感がある

使用機器

裏側矯正では次のような器材を使います。

ブラケット

裏側矯正のブラケットは、ひとりひとりの歯に合わせたオーダーメイド製品です。 歯の形にピッタリとフィットします。

アーチワイヤー

アーチワイヤーは、歯を動かす働きのある形状記憶合金で作られた弾性ワイヤーです。 断面が角形、丸型、細いタイプ、太いタイプなどさまざまなタイプがあります。

結紮線・オーリング

ブラケットにアーチワイヤーをはめ込んだだけではとれてしまいかねないので、アーチワイヤーが外れないように止める必要があります。 そのときに使うのが、結紮線という細いワイヤー、オーリングというゴムの輪です。
(※セルフライゲーションシステムなど最新型では必要のないものもあり)

期待できる効果

裏側矯正には、以下のような効果が期待できます。

歯並びがきれいになる

裏側矯正を受けると、歯列不正が解消され、歯並びがきれいになります。

虫歯や歯周病になりにくい

歯の表と裏で比べると、裏側は唾液の出口があり唾液の流れがよいです。
唾液には歯の汚れが洗い流す洗浄作用、虫歯や歯周病の原因菌を減らす抗菌作用、虫歯を治す再石灰化作用、酸を中和する緩衝作用など虫歯や歯周病を防ぐさまざまな働きがあります。
歯の裏側は、唾液のさまざまな働きが作用しやすくなっています。
このため、意外かもしれませんが、裏側矯正の方が虫歯や歯周病になりにくいです。

矯正装置が目立たない

裏側矯正の矯正装置は、歯の裏側についているので、見えにくいです。
もちろん全く見えないわけではありませんが、通常の表側につける矯正治療と比べると目立ちにくく、口元の見た目を重視する方には大きな利点です。

舌癖が治りやすい

舌癖は、舌先が下がったり、舌を前に出したりする癖で、歯並びを悪くする原因の一つです。
裏側矯正では、歯の裏側に矯正装置がつくので、舌癖があると矯正装置に舌が当たるので、自然に舌が当たらないように正常な位置に戻す癖がつきます。
このため、裏側矯正では舌癖が自然と解消されやすいです。

注意事項

裏側矯正には次のような注意事項があります。

治療費が高い

通常の歯の表側に矯正装置をつけるマルチブラケット矯正と比べると治療費が高いです。

慣れるまで話しづらい

言葉を発するには、舌の動きがとても大切になってきますが、裏側矯正は歯の内側に矯正装置がつくので舌があたりやすく、慣れるまでは話しづらいです。

歯磨きはよりていねいに

装置がなくても、歯の裏側は磨きづらいものです。特に上顎の裏側です。歯の裏側に器具を装着する治療では、清掃が一層難しくなりますから、治療開始前よりもさらにていねいに磨くようにしなければなりません。

治療を受けられない方

次に挙げることに当てはまる方は裏側矯正を受けられません。

01.巨舌症の方

巨舌症は、舌が生まれつき大きい病気です。
巨舌症の方が裏側矯正を受けると、舌が傷つく可能性が高いので、裏側矯正は受けられません。

02.過度な過蓋咬合の方

過蓋咬合とは、噛み合わせが深い歯並びのことで、上顎の前歯で下顎の前歯が隠れてしまう前歯部の噛み合わせを指すことが多いです。
噛み合わせの深さが深すぎると、下顎の前歯が上顎の前歯の裏側の歯肉に当たるような方もいます。
そのような方は、上顎の裏側につけた矯正装置に下顎の前歯が当たってしまうことがあり、裏側矯正は難しいです。また、咬む力が強いため装置が外れやすい傾向にあります。

治療について

裏側装着方式は次のような特徴を持つ治療法です。

1

装置を歯の裏側につける

矯正装置

最も特徴的なのは、器具を装着する位置です。従来は歯の表側に取り付けるスタイルで発展してきた治療器具を、歯の裏側につけるという画期的な方法です。これは日本の歯科医、藤田きんやさんが開発したものです。

2

目立ちにくい治療法のひとつ

治療中の様子のイメージ

歯の内側は、光が当たりにくく暗いので、内側につけた装置は見えづらいです。目立ちにくいというのも、この治療法の特徴のひとつです。

3

歯に優しい

穏やかな表情の女性

歯の外側を覆っているエナメル質の厚みは均一ではなく、内側の方が厚い傾向があります。このため、歯の内側の方が取り付けた装置を外すときにエナメル質が傷つきにくいので、裏側からの治療の方が、歯に優しいといえます。

4

口内炎ができにくい

サプリメント

裏側の装置は意外と舌に当たりにくく、表側につける器具の方がお口の中に傷を作りやすい傾向があります。裏側からの治療は、お口にとっても優しい方法なのです。

5

表側につける治療より費用は高額

電卓

裏側(舌側)からの治療は、表側の装置に比べて費用が高額です。これは、器具の製作や取り付けに高度な技術が必要であるためです。しかし、装置が目立たないため、審美性を重視する方にとって大きなメリットがあります。

リスク・副作用

裏側装着方式には次のようなリスクや副作用があります。

滑舌が悪くなる

装置が歯の裏側につきますので、器具が舌に当たりやすいです。
舌が装置に慣れるまで滑舌が悪くなる可能性がありますが、しばらくすると慣れてくるので大丈夫です。

歯磨きがしにくい

裏側からの治療は目立ちにくいわけですが、これは食べ物が引っかかった状態になっても分かりにくいことも意味しています。
唾液が汚れを洗い流しやすいとはいえ、治療開始前と比べると歯ブラシは当てにくいです。
それでも、慣れてくれば、きれいに歯を磨くことができるようになります。

違和感の大きさ

歯の表側に装置をつける場合と比べると、歯の裏側につける方式の方が器具に慣れるまでの違和感は大きいようです。
こちらも慣れれば大丈夫なので、さほど問題とはなりません。

治療の流れ

裏側矯正の治療の流れを紹介します。

  • 1問診
    ご自身の歯並びのどのような点が気になっているのか、矯正治療の方法の希望などをお聞きします。
    また、現在かかっている、そして過去にかかったことのある病気の有無、治療歴、アレルギー歴などもお尋ねします。
  • 2検査
    矯正治療に着手する前に、歯やお顔の写真撮影、歯や顎のレントゲン写真撮影、歯並びの状態を記録する歯型取りと歯の模型作り、虫歯や歯周病の検査などを行います。
  • 3診断と治療方針の決定
    検査結果をもとに、歯並びの状態を診断します。
    診断結果から矯正治療の治療計画を立てて説明します。
    治療計画に同意をいただければ、治療開始です。
  • 4装置の作製
    ご自身の歯に合わせたセットアップモデル(シミュレーションモデル)を作り、ブラケットを作るオーダーメイドの装置です。
  • 5装置の装着
    ブラケットが完成すれば、歯にフィットするか確認し、問題なければ歯に装着します。
    そして、ブラケットにある溝に嵌め込むようにアーチワイヤーを組み込み、外れないように結紮線やオーリングを使って固定します。
    ※最新のものはセルフライゲーションシステムになっているため、結紮は必要ありません。
  • 6装置の調整
    アーチワイヤーを一定の間隔で取り換え、歯を移動させていきます。
  • 7装置の取り外し
    治療計画通り、歯が移動し歯並びが整えられたら、矯正装置を取り外します。
  • 8保定
    整えられた歯並びが元の状態に戻らないようにするため、保定という処置に移ります。
    保定は、保定装置という装置で行います。
    保定装置は、歯に接着する固定式保定装置と取り外しできる可撤式保定装置に分けられます。
    保定は歯並びが安定する時期まで続きます。

治療後の注意点

裏側矯正を終えた後の注意点について解説します。

保定

裏側矯正に限らず、歯並びを整えた後、歯の位置が元に戻ろうとします。これを後戻りといいます。後戻りを防ぐ処置を保定といいます。
保定に使う矯正装置を保定装置といい、取り外しできる可撤式と取り外しできない固定式に分けられます。
いずれの矯正装置も、歯科医師の指示通り、一定の期間使い続けることが大切です。

定期的な経過観察

矯正治療が終わった後、保定装置に異常がないか、保定がしっかりできているかなどを確認するために、定期的な歯科受診が求められます。
歯科医師に指示された時期にできるだけ歯科医院を受診するようにしましょう。

当院の舌側矯正の症例

症例1.出っ歯(上顎前突)

  • 治療前
  • 治療後
治療前
 
治療後
治療前
 
治療後
治療前
 
治療後
治療前
 
治療後
  • 患者さま情報

    24歳 女性

  • 主訴

    前歯の凸凹が気になる。

  • 症状

    上下顎歯列の副径の狭窄と叢生を伴う上顎前突。

  • 治療期間

    1年10ヶ月(動的治療期間)

  • 治療費

    137.5万円(税込み)

  • 治療詳細

    上下マルチブラケット装置(上顎はリンガルアプライアンス・舌側矯正・舌側矯正)、TAD(アンカースクリュー)2本使用、QH(クォードヘリックス).BH(バイヘリックス)使用。抜歯症例。

  • 治療回数

    22回

  • 抜歯部位

    上顎の左右の第一小臼歯計2本

症例2.デコボコ(叢生)

  • 治療前
  • 治療後
治療前
 
治療後
治療前
 
治療後
治療前
 
治療後
治療前
 
治療後
  • 患者さま情報

    22歳 女性

  • 主訴

    前歯の凸凹が気になる。

  • 症状

    下顎骨の左側扁位、交叉咬合を伴う叢生。う蝕による欠損している歯がある。不良補綴物がある。

  • 治療期間

    2年0ヶ月(動的治療期間)

  • 治療費

    126.5万円(税込み)

  • 治療詳細

    上下マルチブラケット装置(上顎はリンガルアプライアンス・舌側矯正・舌側矯正)、TAD(アンカースクリュー)2本使用。抜歯症例。

  • 治療回数

    24回

  • 抜歯部位

    左上第一小臼歯と右下第一小臼歯 計2本

症例3.デコボコ(叢生)

  • 治療前
  • 治療後
治療前
 
治療後
治療前
 
治療後
治療前
 
治療後
  • 患者さま情報

    21歳 男性

  • 主訴

    上下の前歯の凸凹と出っ歯が気になる。

  • 症状

    叢生、上下顎前突、下顎骨の骨格的な左側偏位。上顎の歯列の狭窄。

  • 動的治療期間

    2年0ヶ月

  • 治療費

    154万円(税込み)

  • 治療詳細

    上下マルチブラケット装置(リンガルアプライアンス・舌側矯正・舌側矯正)、TAD(アンカースクリュー)2本使用、QH(クォードヘリックス))使用。抜歯症例。

  • 治療回数

    24回

  • 抜歯部位

    上顎の左右第一小臼歯と下顎の左右第二小臼歯計4本

治療におけるリスク・副作用

  • ※歯を移動させる時、違和感や痛みが数日~1週間ほど出ます。感じ方には個人差があります。
  • ※歯が移動する速さには個人差があります。早く移動する人もいればゆっくりな人もいます。
  • ※矯正装置が装着されるといつもより歯磨きが難しくなります。
  • ※毎日、丁寧に矯正装置の清掃をする必要があります。
  • ※清掃不十分な場合、虫歯や歯周疾患に罹患することがあります。多数の虫歯や歯周病の進行が認められた場合、治療をして中断・中止することがあります。
  • ※歯が移動するとき(個人差がありますが)不可避的に歯の根が短くなることがあります(歯根吸収)。
  • ※治療中あるいは治療後に顎の関節に何らかの症状があらわれることがあります。
  • ※著しい叢生部分や歯肉炎や歯周病に罹患した部分、歯牙の欠損がある部分は歯肉退縮することがあります。
  • ※動的治療が終了した後は、保定装置を使用する必要があります。指示通り使用できない場合は後戻りや予想のできない歯牙移動が起こることがあります。

よくある質問

裏側装着方式に関して、しばしば受ける質問を紹介します。

裏側についていると違和感は大きくなりますか?

裏側からの治療で使う装置は、ひとりひとりに合わせたオーダーメイドになっています。歯にピッタリ合うので、違和感は少ないです。

裏側での治療ができなかった場合、歯並びの治療は無理ですか?

裏側治療を得意としている歯科医院で治療できないと言われた場合、この方式は難しい可能性が高いです。表側からの治療を受けるか、もしくは他の歯科医院で相談してみることをおすすめします。

裏側での治療は子供にもできますか?

子供さんの治療は、乳歯が残っている段階の第一期治療と永久歯だけになった第二期治療に分けられます。第二期治療なら裏側からの治療も可能です。

費用

裏側矯正の治療費の相場は、150〜180万円です。
なお、矯正治療は、治療に着手する前の相談費用については無料のところがほとんどなので、矯正治療の相談は、お気軽にお越しいただければと思います。

医師からのコメント

裏側装着方式は、従来の治療法の利点を損なうことなく目立ちにくくしたのが特徴です。
装置の取り付けが難しいなど、施術自体の難度が高くなることから費用は高いのが難点です。
そこで、目立ちやすい上顎のみ裏側から治療し、下顎は通常の表側から治療を行うハーフリンガルという選択肢もあります。
裏側からの治療に関心のある方は、相談だけにでもいらしてください。

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